歯周病は口の中だけではなく、全身の健康と、密接な関わりがあることが最近の研究で明らかになってきました。
米国歯周病学会の報告では、歯周病にかかっている人が心臓発作を起こす危険度は、そうでない人の2.8倍、脳卒中は3倍、そして歯周病のある人の早産率は7.5倍も高いそうです。
歯周病菌は毒性が高く、その毒素が口の粘膜から血管に入り、体の中を運ばれ、さまざまな病気を引き起こしていくのです。
とくに歯周病と糖尿病との関係はよく知られており、糖尿病の人が歯周病にかかりやすいことや、歯周病菌がインスリンの働きを阻害するという影響が知られています。
糖尿病と歯周病は関連性が高く、お互いに悪影響を及ぼします。糖尿病は体の免疫力が低下するので、感染症にかかりやすくなります。歯周病は感染症ですから、糖尿病の患者さんは歯周病が急速に進行します。さらに、歯周病の原因菌は血糖値が高いと繁殖しやすくなるので、糖尿病の患者さんは歯周病を持つ割合が高く、重症度が高いと言われています。
一方、歯周病の患者さんは糖尿病が悪化しやすくなります。歯周病病巣から炎症性サイトカインが産生されると、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きを阻害し、治療に悪影響を与え続けるからです。このように、糖尿病があると歯周病を悪化させ、歯周病があると糖尿病を悪化させるのです。
糖尿病の初期段階は自覚症状があまりなく、糖尿病だと気がつかないことが少なくありません。歯周病などで来院されている患者様の中には、糖尿病であることに気がつかず、糖尿病の治療を受けていない方も多いのです。糖尿病になっていると、独特な口臭やお口のトラブルがみられることもあります。糖尿病でなくても糖尿病予備軍ということもあります。
まずは、現状を把握することが大切です。そのためにも、定期的に歯周病のチェックを受けましょう。生活習慣を見直し、歯周病を予防する事が糖尿病を予防することにつながります。
歯周内科治療は、歯周病の原因である歯周病菌を、飲み薬と歯磨き剤で殺菌し歯周病を改善する新しい治療システムです。
歯周病の原因である細菌を検査で特定し、その菌に効果のある内服薬を服用して歯周病菌を除去します。その後、真菌対策として抗カビ作用の優れた専用歯みがき剤で歯みがきをする、といった内科的治療と外科的治療にインフォームド・コンセント(治療前から治療終了にいたるまで細菌の量をチェック)が加わった治療方法です。
患者様のお口の中の汚れを少し採取し、顕微鏡で観察します。顕微鏡で見ることで、お口の菌の状態を確認し、原因菌の特定や量を調べることが出来ます。
その後、映し出された画像を見ながら治療薬・効果の分かりやすい説明をいたします。
歯周病菌に大変効果のあるお薬を内服します。
抗生物質の一種で、それほどきついお薬ではないのですが歯周病菌には非常によく効きます。
抗菌剤を飲むことで、お口の中の菌を減らすことができましたが、放っておくとどんどん繁殖して結局元通りになってしまいます。そうならないように、カビとり歯磨き剤などの歯磨きで真菌を除去します。
歯周ポケットにたまった歯石や歯垢を、丁寧に取り除いて清潔にします。
細菌の生息しにくい環境を整えるために、当院では口腔内のメンテナンスを徹底しております。
当院は第二大阪警察病院・大阪警察病院・大阪赤十字病院などの連携医療機関です。
内科と歯科の連携によってさらに歯周治療効果があがり、糖尿病の早期発見にもつながります。また、現在糖尿病治療中の方で、今後歯周病治療を開始される方にも安心して治療を受けていただけます。(治療に際しては主治医からの診療情報提供書が必要です。)